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osaki / togoshi-ginza

2011/12/15 片山隆之氏の神経系のお話の会

19時開場
料金:1000円(1ドリンク付き)

出演:片山隆之 司会・進行:角田俊也 ゲスト:鈴木學

私は技術者や専門職の方に一目置いています。いままで音や振動に関わる制作をして
きたことで、幾人かの技術者の方と話をする機会がありました。彼らは私の感覚的で
飛躍だらけの喩え話をすんなりと受け止め、はっとするほどの明快な返答をしてきま
す。これには毎度驚かされました。また彼らと話を続けていくと前提にしている確実
な条件のようなものが見えてきて、そこから話をかき混ぜていくととても楽しいので
す。話に筋が通っていて、かつユーモアを受け止める余裕があるのです。
今回お話を伺う片山氏(通称たかぞうさん)は、現在、国立市在住の歯科医さんです。
彼は大学では咀嚼運動の実験と研究が専門で、大学出るとすぐにバリバリの学会発表
を行っていた研究者でした。そこで私は神経の働きについて、素朴に考えたことを確
かめようと、いろいろ質問したことがありました。神経系の働きはミクロで見ると、
まるで抵抗とコンデンサの電気回路です。それは伝達経路というだけでなく、発振回
路のような働きをします。マクロで見るとそれは脳の事物認識とも大きく関わってい
ることが分かります。10数年前、マッキントッシュのマシンを使ったセンサー駆動
の作品が一時期流行ったことがありました。音をやるならマック、と誰もが思ってい
たような時代、私はその手の作品に腑に落ちないものを感じていました。それらはヒ
トの感覚伝達を模しているようですが、とてもヒトのそれには追従できない中途半端
なもので、結局は安っぽい音源が簡単な仕組みで鳴っているようにしか見えませんで
した。そのあたりの不満をたかぞうさんに話してみると、神経系で使われるフィー
ド・フォワードとフィード・バックという言葉の意味を教えてくれることで疑問に答
えてくれました。一般的に知られていない専門的な言葉や概念も、世界を知るために
使える道具に成ります。対話するスペースはエレクトロニクス工作講座を行っている
イベント・スペースのl-eが最適と判断したしました。そのエレクトロニクス講座の
講師でもあり自作音響演奏家でもある鈴木學氏をゲストに迎えることにしました。神
経の働きと電気回路の根本的な違いが浮き彫りになることでしょう。また、たかぞう
さんはジャーマン・ロック系の音楽が好物で、ダモ鈴木が来日すると自宅に泊めたり
する仲でもあります。こういう人はなかなかおりません。また、お会いすれば分かり
ますがとてもユニークな方です。是非、いろんな質問を浴びせかけてみましょう。

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