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2013/08/25 Segments Project 2013『セグメンツ的時間論』(全7回)第3回「意識と時間:前編」

14:00 〜 17:00

1500円+ドリンク代

 

ゲスト:池田陽子 violin、坂本拓也 projector

presented by 木下和重

今回から「意識と時間」というシリーズが始まります。

前シリーズ「数と時間」で、セグメンツのコンセプトとその方法、実践のためのエクササイズを行いました。では簡単にさらっとおさらいを。

まず、音楽を「音による時間の空間化」と還元的に再定義することによって、それを音などによって示されたある程度の時間の長さを持つセグメントの集積体、セグメンツと捉え、聴き手はそのセグメント構造を認識することを要請される。セグメンツは、対象作品の価値判断に作用するものではなく、その前提となる認識の成立基盤を形成するものである。というのも、そもそもセグメンツは、聴き手の実験的音楽に対する具体的なアプローチを提案することで、聴き手独自の理解や解釈を促すことが目的なのである。セグメンツという聴き方のチャンネルを通過することでそこから独自の意味を生成したり、イマジネーションを働かせたりと、より充実した音楽ライフをエンジョイしてもらいたいという願いである。

さて、その実際の方法とは、セグメントの差異に気づくという分節化(セグメンテーション)である。そのセグメンツの間隔/感覚を実際に体験するため、色々と私が考案したエクササイズを行った。そのなかで一つ今回ご紹介するのは、『カウントダウン・セグメンツ』。

・全体を10分 セグメンツの数は39に設定。
・足して600になるような38個のセグメントを作る
・頭から数えて奇数の各セグメントに◯をする
・◯の付いたセグメントは声を出してカウントダウン。その際0は言わず、次のセグメントに移行する。
・◯の付いてないセグメントは声を出さずに、カウントダウン。
・最後までたどり着いた人は、大きな声で、0をシャウト!

簡単そうにみえて、なかなかこれが難しい。最後までたどり着ける人はなかなかいない。ちなみに私は、すべて成功してますが!

今回は、この『カウントダウン・セグメンツ』からスタートします。そして、新しい参加者がいらっしゃれば、再度前回の説明もします。この「意識と時間」シリーズ、前回で扱った客観的時間において、どうしても避けることのできない、ぬるっと出てくる主観的な意識に焦点を当てます。これは、さきほど言及した、聴き手の独自の解釈へと導くステージになるかと思います。意識という言葉は多義的ではありますが、ここでは、感覚器官を通して行われる「見る/聴く/感じる」などの知覚の後に来るもの、と捉えています。単純に言えば、知覚によって引き起こされる思い、でしょうか。広過ぎますかね?この辺の言葉の問題は、今後整理していかなくてはならないでしょう。

セグメンツにおいてセグメントの内容は単なる指示体であり、音でも視覚的な何か(身体的動作)でもなんでもいいわけです。しかし、その内容物によっては、時間に対する意識に影響が出てくる。また、セグメントの前後関係によっても意識が変化する。それを実際に体感していただくため、今回はゲストプレイヤーの方に来て頂きます。まずは、池田陽子さん。ヴァイオリン/ビオラ奏者で、私のSegments String Quartet にも参加してもらってます。そして、坂本拓也氏。坂本くんはセグメンツ・プロジェクトに欠かせない人物で、GENESisのメンバーでもあります。プロジェクターで視覚的にセグメンツしてもらいます。

初めての人も大歓迎!皆様のお越しをお待ちしております。

木下和重

 

次回予告 9月29日 (sun.) 第4回「意識と時間:後編」

 

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以降

10月27日 (sun.)  第5回「時間(仮):前編」

11月24日 (sun.)  第6回「時間(仮):後編」

12月29日 (sun.)  最終回

 

 

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